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【エモンズ!】古宇利島の海でダイビング!クジラの歌声が響く中、水深40mに眠る戦艦を探検してきました(2022.03.13)

こんにちは!ダイバーラウンジです。

 

美しいサンゴ礁に魅了された万座ダイビングの翌日!ずっと前から行きたいと思ってた沈船エモンズを観るため、古宇利島に向かいました。

出会ったのはド迫力の戦艦・・・!かつての戦争の跡を色濃く残す、巨大な沈船がそこにありました。

そんなダイビングログです。

古宇利島、沈船エモンズについて


戦艦エモンズが眠るのは古宇利島の海。

その前日に訪れていた万座より更に北、那覇市からだと車で1時間半から2時間くらい掛かる場所にあります。今回も万座の時と同様、北谷の宿までショップさんに迎えに来ていただきましたm(_ _)m

エメラルドグリーンの綺麗な海に囲まれた古宇利島、沖縄のアダムとイブの伝説が残ってるなど“恋の島”としても知られており、絶景と鐘が楽しめる古宇利オーシャンタワー、ティーヌ浜にあるハート型の岩の「ハートロック」などを楽しめる観光地でもあります。

ハートロック
エモンズに向かうルートの途中にハートロックが見えます

その古宇利島の沖で眠っているのが沈船エモンズです。

pacificwarwrecks.comよりダウンロード。沈船エモンズのマップ

沈船エモンズは、太平洋戦争中の沖縄戦に参加していたアメリカ軍の駆逐艦(機動力に優れ、魚雷攻撃をはじめ奇襲も護衛も何でもする主力級の戦艦)です。当時は掃海駆逐艦(海中に仕掛けられた機雷を爆発処理して安全な海域にすることを任務とした戦艦)として沖縄戦に参戦しておりました。

1945年4月6日伊江島沖を航行中、日本軍の特攻機による波状攻撃の標的となります。攻撃を行ったのは、当時の陸軍飛行学校の教官ら26名で編成された「誠第36・37・38飛行隊」でした。

特攻機の多くは撃墜されたものの、エモンズは計5機の体当たり攻撃を同時に受けます。そのうち1機が弾薬を多く積んでいた船尾に突入したことで大爆発を起こしており、これによってエモンズの航行能力の大半が失われたと考えられています。また別の機体によって船橋部(いわゆるブリッジ。指揮をとる場所)も大きく破壊されました。

この戦闘によって乗組員の60名が戦死し、77名が負傷。戦闘能力どころか航行能力も失ったエモンズは、翌4月7日の早朝に海没処分となり、僚艦によって沈められました。

 

以上の内容は、エモンズについて研究を行っている九州大学浅海底フロンティア研究センターをはじめとした研究チームによって作成・発表されている資料による内容です(ブリーフィングの際も作成されたパンフレットを読ませていただきました)。沈船エモンズ自体は2000年、つまり戦後55年に発見されており、本格的な研究は始まってからまだそこまで時が経っていません(というか見つかったのそれほど昔じゃないことも少しビックリ)。

なので今この時も新しいことがどんどん分かってる最中なんだそうです。例えば(後で写真載せますが)エモンズの砲台がすべて水平方向を指してることから、特攻機は海面付近から体当たり攻撃を仕掛けてきたことや、突入した特攻機「九八式直接協同偵察機」の残骸(ランディングギアやエンジン)も付近に共に沈んでいるなど、当時の太平洋戦争の状況を物語る非常に貴重な戦争遺跡となっております。

エモンズのダイビングポイントとしての特徴や注意点は、この後潜りながら紹介していきます!

水深40mに眠る戦艦

では早速エモンズに向かっていきましょう!

港からボートを出し、およそ10分ほどでポイントに到着します。

エモンズですが、ダイビングポイントとしては上級者向けポイントとよく言われております。理由の1つとして、この辺りの潮の流れ。普段は強い潮流が入ってることが多く、エントリーまでの準備や水中での動作に多少注意が必要となってきます。

ところがどっこい、この日に限っては「海止まったの?」ってレベルで凪でした。

船長もガイドさんも口を揃えて「今日は超イージー」。こんな日もあります。

先程載せたマップにも図示されていますが、エモンズには3つのブイが打たれており、それぞれ船首・中央・船尾の3箇所までロープで繋がっています。基本的には1本目に船首から入って中央まで、2本目は中央から入って船尾までというルートを通るのですが、どのルートを通るかはその日の潮流次第です。

ボートからドボンとエントリーした後は、そのロープに掴まりながら潜降していく訳なのですが・・・

ご覧の通りで、ロープの底が見えません。

それもそのはずで、沈船エモンズがあるのは水深40mを超える海底です。これもエモンズというダイビングポイントの難易度が高く設定されてる理由の1つ。

水深がめちゃくちゃ深い分、中性浮力を取るのがいつもより少し大変になりますし、何より減圧症のリスクも上がってきます。通常のファンダイビングの場合、ここで潜れるのは1本20分程度。上まで戻る時間、安全停止や減圧停止の時間を含めると、沈船の付近にいられるのは10〜15分程度です。短時間集中勝負!!

少しずつ潜降していきます。先に行ってるガイドさんの泡が垂直にこちらに向かってきますw

そうこうしてる内にダイコンに表示されるのは15m・・・20m・・・25m・・・

おぉ!見えてきました!!

ドン。

静かに眠る戦争の痕跡の迫力に、畏敬に近い感情を覚えます。

というか、想像以上のスケールに感動したのか訳分かんなくなったのか、カメラの操作は慌ただしくなるし、どこ撮ればいいか分からずクルクルしてしまいます。自分という存在がちっぽけ過ぎてワタワタしてるのか、もう何だかよく分かりません(ガイドさん曰く「1本目はそんなもの。大体パニクる」)。

船首の先っぽには大きな穴が。攻撃によって受けた穴なのか、沈没させる時に敢えて開けた穴なのか・・・

ここの穴、貫通してるので通り抜けることが出来ます。右から左に抜けていくと、向かって左側に倒れているエモンズの全貌が見えてきます。

ガッツリと、船首にある大砲が2つ、見えてきますね。

前方が左方向、後方が正面方向に向いています。尚且つ、言われていた通り水平方向に砲口が向けられていますね。

砲台の迫力よ・・・

僕自身、太平洋戦争で使われた戦艦というものを今まで実際に見たことがないので、実物を見ると言葉では表せない感情を抱きました。

その砲台から中央部分までのルートを泳いでく映像です。

近くで見れば見るほど壮大な砲台ですし、沈船の内部も一部入ることが出来ます。最後の方に映ってるのはガトリングガンのような。マップで見ると20mm対空砲ぽいですね。

沈船の内部は一部、こんな感じで覗くことが出来ます。

何せ全長106mの巨大戦艦ですので、内部の奥深さも半端ないです(入り込むのは通常のファンダイビングの場合は、あまりオススメできませぬ!)

戦艦に搭載されたトイレもこうやって覗くことが出来たり。実際に船として運用されていたって実感が湧きますね。

中央部を更に進んでいく映像。奥の方には破壊された船橋部があります。にしてもデカさが半端ない・・・

そして・・・僕のGoProはここで一度停止してしまいます。

水深40m程度となると水圧の強さもすごく、カメラのハウジングに掛かってくる圧力も違います。なので、潜ってる間にあまり操作しすぎるとエラーを起こしやすくなってしまうんです。GoProであれば、撮りっぱなしがベターです。

仕方なくTG-6に入れ替えつつ中央部のロープ付近に移動すると、名簿らしきプレートが見えてきます。

これは当時戦争を戦った戦艦エモンズの船員に向けられた慰霊碑で、後に設置されたものです。下のプレートの最上部には

“DEDICATED

Honor and Memory of Our Shipmates

of USS Emmons (DD-457/DMS-22)

Lost in Battle April 6 1945″

ざっくり訳すと

「1945年4月6日の戦いに散った駆逐艦USSエモンズの仲間の名誉と記憶に捧ぐ」

と書かれており、下には亡くなられた船員、行方不明の船員の名前が並べられています。

国のために戦った仲間への敬意を込めた慰霊碑です。

 

さて、先述した通り、1本につきエモンズ周辺にいられるのは10〜15分程度です。この慰霊碑が見えた辺りではもうタイムリミット・・・というより、この時は既にDECOは出ている状態で、この後ロープでゆっくり上がりつつ、安全停止に加えて減圧停止を追加で行いながらエキジットしました。

こちらは2本目の到着直後。中央部のロープからエモンズに向かってエントリーし、そのまま船尾に向けて移動しております。さっきよりも破壊された船橋部がしっかり見えます。

より海底近くを潜ってるダイバーさんが見えますが、その辺りには散らばった掃海具があるほか、船長室の一部にも入ることが出来るそうです。深すぎて行かなかったけど・・・w

そして船尾の周辺、色んなものが散らばってるんです!

映像の1つ目に映っているの、最初は魚雷だと思っていたのですが、これは掃海具と言って、機雷を除去するための道具です。その前知識なければ普通に魚雷に見えちゃいますね。近くにウチワがいるのが妙に印象的。

2つ目ですが、ちょっと映すところ間違えてて。これはテレグラフと言って、操舵室などによくある船全体へ指示を送る装置です。もっと前方から撮れば表示が見えたはずだったのに、ちょっと残念^^;

ちなみにこのテレグラフのすぐそばには、日本の特攻機の残骸であるランディングギア(着陸装置)が落ちています。戦艦と、それを攻撃した特攻機の残骸が同じ箇所に沈んでいるって、実はすごい光景ですよね・・・

船尾付近には、尻尾から船の内部が見れるところに入り込むことが出来ます。覗いてみると魚群も見えますね。奥が深〜い!

そしてその船尾を更に進んでいくと・・・

超巨大なプロペラ!

かつてこの巨体を動かしてたパワフルなプロペラを見ることが出来ます。

巨大なプロペラにも感銘を受けたのですが、中央部分のロープが結ばれる箇所に行く途中に沈船の側面を見ると、不発弾がずらっと並んでおります。本当にこの沈船が戦艦で、かつて戦争を戦った船なんだな、というのを実感します。

てかこの映像、ダイコン鳴りまくっててすみません・・・思いっきりDECOアラート出ています。この後もやはり3, 4分くらい減圧停止しておりました。良い子の皆さんはDECOになる前から浮上を始めるようにしましょう。

その歌声は・・・

巨大でスケールがあり、戦争の爪痕をそこら中に残し、息を呑む感覚にとらわれる沈船エモンズの探検。終わる頃には序盤のワタワタはさすがに収まってましたが、圧倒されっぱなしであることに変わりはありませんでした。

去り際のエモンズです。ある程度浮上してきたら、うっすらと消えていきます。

・・・ところで、ここまで載せてきた動画、時々不思議な声が聞こえると思いませんか?

海の音や僕のうるさい呼吸音の合間に、とある声が聞こえてきませんか?

中央部から船尾に移動してる動画とか、特によく聞こえてきてる気がします。

もっかい載せますね。やっぱり何か聞こえますよね?不思議ですよね?何でしょうね?

 

・・・・・・いや、ごめんなさい、怖い言い方ですねww

正解はクジラです!!

2月から3月頭は沖縄や奄美大島ではホエールスイムの時期ですが、3月真ん中らへんのこの時期、子育てがある程度終わったクジラは北上を始めています。

沖縄本島の北方に位置するこのエモンズのダイビングポイントでは、北上してるクジラの鳴き声が聞こえてくるんです(実は前日の万座でも聞こえてました)。

 

つまり、今回のエモンズのダイビングは、クジラの歌声を聴きながら戦艦の探検をしていく、というなかなか稀有な経験が出来たのです。非常〜〜に、ぷらいすれす・・・

エキジットの途中辺りではクジラの歌声があまりに聴こえてくるので、録音用にGoPro回しちゃいました。後半につれて歌声はより鮮明になりますし、ガイドさんの突然の片手バブルリングも楽しめます。

なかなか無い、素敵な体験でした♪

今回お世話になったショップさん

こんな素敵な体験をしてくださったガイドさんは、CHABA Gua(チャバグア)さんのオーナーさん!

エモンズ初体験の僕に戦艦エモンズのことをきっちり丁寧に教えてくださり、潜ってる間もあちこちの箇所を案内してくださり、終いにはこんなかっこいいムービーも作ってくださりと、至れり尽くせりでした。

一緒に潜ってたのはイギリスのダイビングインストラクター、リチャードさんがやっているEnglish Empire Diversで潜りにいらしたダイバーさん達。気さくな方々で一緒に楽しくエモンズを潜れました(^^)リチャードさんのインスタを見ると「そんな部品どこにあったの!?」というようなパーツをエモンズ内部で撮りまくってて、まるでエモンズ相手にマクロダイビングをしてるくらいの勢いでした。

1本につきほんの10〜15分しかいられなかった沈船エモンズですが、テックダイバーの方々がこのエモンズを長時間探検したり、全体図の作成を行ったりと、なぜエモンズにハマっていく方々がいらっしゃるのか、ほんの少しですが分かった様な気がしました。言い知れない感動と学びが、この沈船にはあるような気がします。また来れたらいいな。

そんな訳で、今回のダイビングログはここまでです。

読んでいただき、ありがとうございました!!!

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1件のコメント

クジラの歌声聴きながらのエモンズ…すっごい異世界ですね✨ムービーのプレゼントも、自分のダイビング姿がたくさんうつってるのって、すごくいい思い出になりますね☆

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