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スキューバダイビング器材を購入したらどのくらいで元が取れるの?計算してみた

こんにちは!ダイバーラウンジです。

 

ここ最近「1日ダイビングするのにかかる平均料金」であったり「ダイビング器材の平均価格」とか、お金関係の話を調べては記事にしてきました。

今回書くのはその総仕上げにあたるようなテーマになります。

 

題してスキューバダイビング器材を購入したらどのくらいで元が取れるの?でございます。

 

ちょくちょくいろんな記事でも書いてますが、ダイビング器材って全部揃えようとしたら結構なお金がかかるので、それなりに覚悟がいる行動です。代わりに、一度揃えてしまえば、あと必要になるのはオーバーホール代のみになります。

一方で、ダイビング器材はレンタルすることもできるものです。なので、どかーんとお金払って器材を買わなくてもダイビングはもちろん、楽しむことが出来ます。ただその代わりに、レンタル代は潜りに行くたびに掛かってきます。

 

一度にそれなりの金額が掛かる器材購入と、潜りに行くたびに掛かり続けるレンタル代。

単体で見れば当然レンタル代の方が安く見えますが、この前提で考えると、どこかで器材購入のコスパが逆転するってことになりますよね?

そこで、これまで調べてきた情報を素材に、スキューバダイビング器材を購入した場合、どのくらいダイビングに行けば金銭的な元が取れるのかを、計算してみようと思います!

 

最後には、金銭的な問題とはまた違う「ダイビング器材を揃えるメリット」についても書いてみようと思います。

元にする数字

今回の計算で元にするのは、以下の記事で引っ張り出してきた数字になります。

ファンダイビングの料金

計算する上で、「1日に2本のファンダイビング=1回潜りに行く」と考え、ファンダイビング2本分の平均料金を使用します。

前に書いた記事ではビーチ・ボートなどの形式で分けて平均料金を出していますが、今回はその形式に縛りを入れない形で出した平均料金、20,050円を使用します。

 

器材のレンタル料金

器材のレンタル料金に関しては、記事で出してる料金をそのまんま使います。

例えば、フルセットは6,594円、重器材セットは3,092円、などの料金を使用します。

※スーツはドライ、ウェットによって料金が変わってくるので、その間を取る形で数字を出します。

 

器材の平均価格・オーバーホール代

それぞれの器材の平均価格も、前の記事より抜粋していきます。

これを元にすると、全ての器材を定価で揃えたとすると、742,679円掛かってくる、となります。高ぇ。

 

実際、この情報を記事やSNSで出した時も「体感より高い」というお声をいただきました。

単純にメーカーが掲載している器材を全て並べて平均価格を出すと、こうなってしまうってことですね。価格帯って一般的には「より売れる価格帯に集中する」ものだと思っていたのである程度はこの出し方でも(どれだけ高い外れ値があるにしても)適正になっていくんじゃないかと思っていたのですが、この辺りは難しいですね。

あと、実際に器材を買う時にフルセットをそのまま定価で買うことはほぼ無いって言うのもあるかもしれません。

とりあえず今回に関しては「上振れる分には構わない」方針で、この数字を使って計算してこうと思います。

 

もう1つ、オーバーホール代金(重器材のみ対象とします)についてです。

これは周りから聞いている限り15,000円〜20,000円あたりが価格帯となるようなので、年1回20,000円掛かるものとします。

 

※ちなみにこの間ダイビング器材を爆買いした個人的な意見からすると、上記のフルセット価格にはそこまで違和感を感じませんでした。ちょっと高めかな?くらい。

 

こんなパターンで計算します

数字的な素材が揃ってきたところで、こんなパターンで計算してみようと思います。

  1. フルセットで購入した時
  2. 軽器材だけ購入した時
  3. スーツだけ購入した時
  4. 重器材だけ購入した時
  5. 軽器材と重器材を購入した時
  6. 軽器材とスーツを購入した時

このそれぞれのパターンにて、仮にですが月1回、つまり年12回(本数は24本)ダイビングに行ったらどのくらいで元が取れるのか、と言う計算をしてみます。

 

① フルセットで購入した時

はい、早速計算を始めていきます。

揃えた素材を書き出した上で、1年で潜りに行く回数をx、年数をyとします。

前述の仮定をそのまま入れ込むと、年12回潜りに行くのでx = 12となります。

計算を更に進めて、こうなりました(この時点で地味にミスってますが)

何をしてるかと言うと、そんな複雑な計算式ではないのであらたまって言うことではないのですが「レンタルで潜り続けた場合」「器材を購入した場合」とそれぞれをxy使って計算しています。

 

前者はどんな感じになるかと言うと

レンタルで潜り続けた場合

(ファンダイビングの料金 + フルレンタル) × 1年で潜りに行く回数 × 年数

= (20,050 + 6,594)×x × y 

= 26,644xy

こんなん。

一方で後者はと言うと

器材を購入した場合

フル器材購入の代金 + ファンダイビングの料金 × 1年で潜りに行く回数 × 年数 + オーバーホールの代金 × (年数 – 1)

= 742,679 + 20,050×x × y + 20,000 × (y – 1)

= 722,679 + 20,050xy + 20,000y

こうなりました。

 

「器材を購入したらどのくらいで元が取れるか?」がテーマですよね。

つまり、このそれぞれの計算式が同じ値になれば良い、ということになります。つまり

26,644xy = 722,679 + 20,050xy + 20,000y

こうなるから、これを計算すると

26,644xy – 20,050xy – 20,000y = 722,679

6,594xy – 20,000y = 722,679

(6,594x – 20,000)y = 722,679

・・・こんな計算式になりました。

 

さて、前述の仮定「月1回潜りに行った場合」を差し込んでみましょう。つまり x = 12になるのでこれを代入して

(6,594 × 12 – 20,000)y =722,679 

59,128y = 722,679

 y = 12.222….

はい、こうなりました。割り切れないですが、今回の場合で言えば元を取りたいので繰り上げて、

y = 13

となります。つまり、

ダイビング器材をフルで購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、13年で元が取れる

ということになりました。

 

さあさあ、こんな感じでどんどん数字を出していきまっしょい。

 

② 軽器材だけ購入した時

続けて軽器材だけ購入し、重器材やスーツはレンタルで潜っていた場合についてです!

ここで言う軽器材はマスク・シュノーケル・フィンの3点セットとし、必要となる「軽器材の購入代金」「重器材とスーツのレンタル代」は以下とします。

  • 軽器材の購入代金 = 50,685円
    (マスク:21,848円 + シュノーケル:5,529円 + フィン:23,308円)
  • 重器材とスーツのレンタル代 = 5,704円
    (重器材セット:3,092円 + スーツ:2,612円(ウェットとドライの中間))

そして器材をフルで購入する時と同様、「レンタルで潜り続けた場合」「軽器材だけ購入した場合」をそれぞれ計算式に当てはめます。

レンタルで潜り続けた場合

26,644xy

軽器材だけ購入した場合

軽器材の購入代金 + (ファンダイビングの料金 + 重器材とスーツのレンタル代) × 1年で潜りに行く回数 × 年数

= 50,685 + (20,050 + 5,704)×x × y

= 50,685 + 25,754xy

この2つの式もイコールになれば良いので、

26,644xy = 50,685 + 25,754xy

890xy = 50,685

ってなりました。

オーバーホール代の計算をしない分、いくらかシンプルです。

これに x = 12 を代入して

890 × 12 × y = 50,685

y = 4.745…

ってなったので、これも繰り上げてy = 5になるということで、

軽器材を購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、5年で元が取れる

となりました。

 

注意なのは、あくまで軽器材を購入した分の元がいつ取れるかという話であるので、軽器材の元が取れた後はコスパ的にどうなるの?というと、これはまた別の話になってきます。

 

ちょっとここで「①と②のコスパが大体同じになるのはいつ頃?」、つまり「フルセットで買った時と軽器材を買った時とでコスパが同じになるのはいつ頃?」というのも興味が湧いたので、計算してみます。

計算式としては、こういうことになりますよね。

722,679 + 20,050xy + 20,000y = 50,685 + 25,754xy

①②のパターンそれぞれで作った計算式をそのままイコールで結んだだけです。

こいつを計算していきます。

5,704xy – 20,000y = 671,994 

x = 12 を代入すると

(68,448 – 20,000)y = 671,994

48,448y = 671,994

y = 13.870…

こうなりました。繰り上げてy = 14

この計算の言わんとしてることは

月1回(2本)ダイビングに行くとして、はじめは軽器材だけ買った場合がコスパが良いが、14年するとフルで買った場合のコスパが逆転する

ってことになります。

 

③ スーツだけ購入した時

続きまして、マイナーケースかもしれないですがスーツだけ購入した場合です。

使うのは以下の数字でーす。

  • スーツの購入代金 = 274,407円
    (ウェットスーツ:58,119円 + ドライスーツ:216,228円)
  • 軽器材と重器材のレンタル代 = 4,708円
    (軽器材セット:1,616円 + 重器材セット:3,092円)

この辺りから「ファンダイビングの料金考える必要ないな」ってことにようやっと気付いたので、少し計算式が簡素になっていきます。

レンタルで潜り続けた場合

(266,44xy からファンダイビング料金分を外して)6,594xy

スーツだけ購入した場合

スーツの購入代金 + 軽器材と重器材のレンタル代 × x × y

= 274,407 + 4,708xy

はい、これを計算すると

6,594xy = 274,407 + 4,708xy

1,886xy = 274,407

x = 12 を代入すると

22,632y = 274,407

y = 12.124…

ということで、

スーツだけ購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、13年で元が取れる

となりました。フルでダイビング器材を購入する時と変わらない年数になりますね。

 

④ 重器材だけ購入した場合

これは更にマイナーなケースになりますが、重器材だけ買った場合です。軽器材買わずに重器材だけ買うのはなかなか無い気がしますが・・・笑

重器材をBCD・レギュレーター・オクトパス・ゲージのセットとした上で、サクサクと計算やってしまいましょう。

  • 重器材の購入代金 = 311,906円
  • 軽器材とスーツのレンタル = 4,228円

 

レンタルで潜り続ける場合 = 6,594xy

重器材だけ購入した場合 = 311,906 + 4,228xy + 20,000(y – 1)

= 291,906 + 4,228xy + 20,000y

 

6,594xy = 291,906 + 4,228xy + 20,000y

(2,366x – 20,000)y = 291,906

x = 12 を代入して

8,392y = 291,906

y = 34.783…

繰り上げてy = 35なので、

重器材のみ購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、35年で元が取れる

となりました。お・・・・・・・Oh。

 

⑤ 軽器材と重器材を購入した時

次に、③④よりもう少しあり得るかもしれないケースについて考えてみます。

まずは軽器材と重器材を購入した時です。細かいとこ端折って計算してくと

レンタルで潜り続ける場合 = 6,594xy

軽器材と重器材を購入した場合

= 50,685 + 311,906 + 2,612xy + 20,000(y – 1)

= 342,691 + 2,612xy + 20,000y

 

6,594xy = 342,691 + 2,612xy + 20,000y

(3,982x – 20,000)y = 342,691

x = 12を代入すると

27,784y = 342,691

y = 12.334…

繰り上げてy = 13なので、

軽器材と重器材を購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、13年で元が取れる

ってことになります。

 

また、②の時と同様、①のフル器材購入とのコスパはどうなるかと言うと

722,679 + 20,000y = 342,691 + 2,612xy + 20,000y

2,612xy = 379,988

x = 12を代入すると

31,344y = 379,988

y = 12.123…

ということで、月1回(2本)ダイビングに行くとして、13年するとフルで買った場合のコスパが逆転するとなりました。

 

⑥ 軽器材とスーツを購入した時

続いて軽器材とスーツを購入した場合です。これも計算すると

レンタルで潜り続ける場合 = 6,594xy

軽器材とスーツを購入した場合

= 50,685 + 274,407 + 3,092xy

= 325,092 + 3,092xy

 

6,594xy = 325,092 + 3,092xy

3,502xy = 325,092

x = 12を代入すると

42024y = 325.092

y = 7.735…

繰り上げてy = 8なので、

軽器材とスーツを購入して月1回(2本)ダイビングに行くとすると、8年で元が取れる

ってことになります。

 

そしてフル器材購入とのコスパ比較ですが

722,679 + 20,000y = 325,092 + 3,092xy

 (3,092x – 20,000)y = 397,587

x = 12を代入すると

17,104y = 397,587

y = 23.245…

ということで、月1回(2本)ダイビングに行くとして、24年するとフルで買った場合のコスパが逆転するとなりました。

ほぉ・・・・・

 

計算結果の早見表

ガツガツと計算してきましたが、結果はこうなりました。

ケース 元が取れるのは・・
フルセットで購入 13年後
軽器材だけ購入 5年後
スーツだけ購入 13年後
重器材だけ購入 35年後
軽器材と重器材を購入 13年後
軽器材とスーツを購入 8年後

そのうち、②⑤⑥に関して、フルセット購入のパターンが何年後にコスパ良くなるかというと

ケース 何年後?
軽器材だけ購入 14年後
軽器材と重器材を購入 13年後
軽器材とスーツを購入 24年後

こんなん。

 

この表をざっくり見ていると、以下の考察点が出てきます。

  • すごく長期目線で見ればフルセットで買うのが一番コスパが良い
  • 15年くらいの単位で見れば、地味にコスパが一番良いのが「軽器材とスーツを購入した場合」
  • とりあえず重器材だけ買うのはやめた方が良さそう

ただ、あまりこの結果を額面通りに受け止める必要もないんですよね。

第一に、この計算はあくまで x = 12、つまり月1回(年12回24本)ダイビングを前提とした計算となっています。この x が大きくなればなるほど、元が取れる年数も短くなるんです。例えば年50本ペースで潜るとしたらフル器材を買った場合は5年で元が取れるし、年100本潜ったら3年になります。

第二には、ダイビング器材の購入代金。前述の通り、人によっては「上振ってる」ととれる金額を使っています。より安く手に入るのであれば、それも年数を短くする要因になってきます。

他にもそんなに本数いかなかった年はオーバーホールも出さないかもしれないし、逆に今回考慮してないスーツのオーバーホールを出さなきゃいけないとか・・・今回の計算で含められてない条件はいくつかあります。でも、個人的にはいい参考になるのではないかと思っています。

マクロ組んだらシミュレーターになりそうだなぁ。

 

金銭的「以外」で考える、ダイビング器材を揃えるメリット

ここまで金銭的な元が取れる取れないって話をしてきました。

上記で計算した通りですが、器材の購入代金の元取ろうってなると、まぁまぁ気が長い話になっちゃうんですよね。レンタルで潜り続けるよりどこかで絶対コスパは良くなるのですが、その期間は10年単位くらいの話になってきます。

 

そんな器材購入ですが、個人的に考えても、レンタルと比べて金銭的以外のメリットはあると考えています(もちろんですが、ダイビングはレンタルでも超楽しめます。その前提ですが)。

器材を買ってまだ5ヶ月程度で戯言に近いですが、最後に自分が思うメリットを書いていこうと思います。

 

スキルが安定して気持ちも安定する(特にウェイト)

これは僕に限らず、ダイビング器材を購入するメリットでよく言われますが、潜る上で必要なスキルがレンタルと比べて安定しやすい、という点があります。

特に一番言われるのが適正ウェイト

ダイビングにおいて潜降したり浮上したり中性浮力を保ったりする上で、どのくらいのウェイトを装着すればスムーズに行うために適正かという点は基本的で、とっても重要です。

で、潜るたびに着るBCD変えたりスーツが変わったりすると、そのBCDの重量だったり、スーツがどのくらい新しかったりなどの条件が変わることで適正ウェイトが微妙に変わったりします。レンタルだと毎回同じのを貸してもらえる訳じゃないから、この状況になってしまう可能性が結構高いんです。

マイ器材を持ってしまえば、重量にしろ浮き沈みの傾向にしろ把握しやすいし、毎回のダイビングで何かが大きく変化することもありません。適正ウェイトも変化はしない。なので潜降する時の「あれ?沈まない?」みたいになるリスクも、それを心配するリスクも格段に減らせます。これは結構メリット。

他にも操作性にしろ使い勝手にしろ、相棒の様な存在になる分「この器材でどういうことが起こるのか」が把握しやすいです。なのでダイビング中における行動で変なストレスを受けにくく、その分安心した気持ちでダイビングをより楽しめます。

 

どことなくクエスト感が上がる

これこそ個人的に考えることですが、自分の器材を持って新しい海に潜りに行くと、レンタルと比べてどことなく「あの海に行ってきた感」が増す気がします。

海を楽しむという意味ではレンタルでも十分楽しめるのですが、現地のショップさんに借りた器材で海に入ると、何となくですが「この海にお邪魔してる感」が増すんですよね(広い意味では何装着してようがお邪魔してることに変わりはないのですがw)

一方で自分の器材を持ち込んで、自分のダイビングスタイルでその海を潜って上がってくる・・・ってやると、何となくクエスト感というか、旅をしてきた感というものが増して、個人的にはそれのおかげで1回1回のダイビング の満足度がめっちゃ上がってる気がしています。

 

何だろう、「自分で道具揃えて山を登りたい」とか「自分の道具であちこちキャンプしたい」と似た感情なのかな・・・?想像で言ってるのでよくわかっておりませんがw

まぁまだ器材を揃えて5ヶ月程度の身で言ってる戯言でもあるので、これから今の器材たちと潜り続けてくことで、また違った魅力が見えてくるかもしれないです!

 

まとめ。

色々と書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?

金銭的な元取れるか否かを計算するのがこの記事のメインテーマなのに、最後の方では金銭的とは別の観点のメリットを語るという、よく分からない記事になってしまいました。笑

 

それこそ記事内でコスパコスパ言いまくってましたが、本当のコスパの良し悪しは「それで自分がダイビングを楽しめているかどうか」だと思うので、器材を揃えるかてレンタルで続けていくのか、その時その時で自分の中で相談しながらやっていくに越したことはないと思います。

 

ただ、記事内に登場している計算式は個人的にはシミュレーションに使えるいい式たちばかりだと思うので、良かったら参照してみてください笑

 

てなわけで、今回は以上になります!

読んでいただき、ありがとうございました!!!