こんにちは!ダイバーラウンジです。
長きにわたって新型コロナウィルスの影響が続いていますが、39県での緊急事態宣言が解除されるなど、少しずつ元の日常を取り戻そうという動きが見え始めています。
とは言ってもコロナの第2波の懸念は拭えておらず、飲食店にしても流行前の形式で運営することは難しくなっております。
ダイビングショップもほとんどが営業自粛状態が続いていた中、先週末から規模縮小の上でオープンし始める動きが出ています。
そんな中、PADIとDANが、主にダイビングショップなど、事業者向けに感染対策のガイドラインを発表しました。
ゲストへの対応やレンタル器材への対応、備品の消毒などのお作法などがガッツリ掲載されています。
これらを参考にしながら、逆にいざ僕らゲストとなるダイバーが「よし、ダイビングに行こう!」って思った時に、参考になりそうな感染予防対策法について考えていこうと思います。
ハッキリとダイバー向けに提示された予防対策法ではないので、その点はご了承おきください。
・・・とは言え、これから書いていくこと、今までのダイビングであった良き風景が無くなってく感じがして、個人的にちょっと詫びしい面もあります。。
PADIのガイドライン
まずはPADIのガイドラインから見ていきます。
ダイバーにできる8つの新型コロナウィルス感染対策
まずはこちら。PADIが発行した、感染対策ガイドラインです。
これは事業者とかゲストとか関係なく、すべてのダイバーに向けたガイドラインとなっているので、僕らにとっても参考になるガイドラインです。
8つの項目が制定されているのですが、それぞれ超ざっくりと書いてしまうと
- 何らかの症状がある場合はダイビングに参加しないでください。
- 水面や陸上で可能な限りソーシャルディスタンスを取ってください。
- 手洗いと消毒をしましょう。
- 陸上では医療用マスクをしましょう。
- 水面ではマスクとレギュレーターを着けましょう。
- 手持ち器材の消毒、鼻をかんだりうがいをする時のエチケットに気をつけましょう。
- 吐いた息が相手に掛からないようにしましょう。
- バックアップ空気源の清潔管理に気をつけましょう。
こんな感じです。
PADI ダイブセンター/リゾート/ダイブボート向け ガイドライン
次はこれ。先ほどのガイドラインとも連動していますが、こちらはショップなどの事業者向けのガイドラインになります。
こちらは9ページに及ぶ資料で、全般的な注意事項をはじめ、スキルやライセンス講習中、ボートでの注意事項も含め細かにガイドラインが記載されています。
この中で、ゲスト側の行動にも関わりが特にある事項をざっくりと引っ張り出すと、この辺りの事項になります。
全般的な推奨事項
- 自分の呼吸の流れを把握して、他ダイバーに自分の呼気が運ばれない位置関係を意識しましょう。
- 水面では可能な限りソーシャルディスタンスを取りましょう(2秒以内に届く範囲を保つ)。
- 水中ではソーシャルディスタンスは必要ありません。
- 手洗いやうがいなどの消毒、医療用マスクの着用、手で顔を触らないなどして清潔を保ちましょう。
- ハイタッチや握手はやめて声やハンドシグナルで合図しましょう。
- 一緒に生活してる人たちでバディを組みましょう。
- マスクのくもり止めは唾でやらないようにしましょう。
ダイビング施設での推奨事項
- 施設内で人が触る可能性が高いものは常に消毒しましょう。
- バルブの開口部やレギュレーターの接続口をむやみやたらに触らないようにしましょう。
- 各ダイバーが個別に器材を洗ったり乾かしたりできるスペースを確保しましょう。
- 室内ではソーシャルディスタンスのための十分なスペースを確保しましょう。
ボートに関する推奨事項
- 器材のセッティングは乗船前に済ませましょう。
- 軽器材(マスクやシュノーケル、フィンなど)は使うまで器材バッグに入れておきましょう。
- 器材を洗う際にお水を入れるバケツを共有しないようにしましょう。
- エキジットの際にダイバーが密集しないようにしましょう。
こんな感じです。
DANのガイドライン
続いてはDAN(Divers Alert Network:ダイビングの安全性向上を目的とした団体)が発行しているガイドラインです。
前述のPADIのガイドラインも、このDANが発行したガイドラインを元にしているところがあります。
リスクの予防とリスクを軽減するための10の勧告
DANのダイビング事業者向けのガイドブックです。
全部で27ページとまぁまぁの大作。
この中からゲスト側に関係するものをざっと並べてみます。
お客様対応に関する推奨事項
- 症状がある場合は来ないようにお客様に伝えましょう。
- ダイバーではない同伴者は受け入れないようにしましょう。
- 必要な書類はリモートやオンラインで記入するようにしましょう。
- 支払いも現金の手渡しではなく、なるべくオンライン決済やカード決済を使用しましょう。
- 常に一定の間隔をゲスト・ガイド同士でも空けるようにしましょう。
- 知識学習も、なるべくであればeラーニングや遠隔を使用しましょう。
- お客様の持ち物を共通に使う場所(更衣室など)に置かないようにしましょう。
- 身の回りを清潔にしましょう(手洗い、うがい、目や鼻や口を触らない、咳やくしゃみは気を付ける)
器材に関する推奨事項
- レンタル器材の返却エリアと消毒済みエリアを分けるようにしましょう。
- 消毒済み器材のエリアにお客様を入れないようにしましょう。
- 器材は使うタイミングで器材バッグから取り出すようにしましょう。
- バルブの給気口やレギュレーターの接続口に触らないようにしましょう。
- お客様の器材は洗う際に個別用の洗浄容器を用意するようにしましょう。
ボートに関する推奨事項
- ソーシャルディスタンスを守りましょう。
- 器材を洗う際にお水を入れるバケツを共有しないようにしましょう。
- マスクの曇り止めで唾を使わないようにしましょう。
- 乗客は基本全員マスクをするようにしましょう。
- エキジットで混まないようにしましょう。
バディチェックやガスシェアの推奨事項
- 他のダイバーの器材は触らないようにして口頭でチェックしましょう。
- バックアップ空気源を使用する際は専用の呼吸装置を使うようにしましょう。
Dive Operations and COVID-19:Prepping for Return
「いや突然英語かいな」感がすごくて申し訳ないのですが、こちらも上記のガイドラインの参考として広く取り扱われているものです。
DANがダイビング事業者向けに出しているガイドラインであると同時に、感染対策に関するよくある質問集をまとめたものになります。
全体的には施設内や器材の消毒の方法やタイミング、プロセスに関するマニュアル感が強いです。
その他ダイビングにおけるオペレーションでの注意事項に関しては、前述のガイドラインとほぼ同じ事項です。ウィルスは各物質にどのくらいの期間付着してるか、とか、BCDの中でのウィルスの残存可能性など、少し学術的なことが詳細に書かれてる面はありますが。
ちなみにこのガイドライン、消毒に関するマニュアルは相当ガッツリと仕込まれている感じでして、読んでるうちに段々自分(ゲストとしてのダイバー)が病原体のように感じてきて何とも言えない感覚に陥りました。汗
そんなこんなで、またゲストにも言える事項をまとめてみます。
ゲスト・スタッフの共通推奨事項
- 手洗いは石鹸を使って20秒かけてしっかりと洗いましょう。
- 水面であれ施設内であれソーシャルディスタンスを保ちましょう。
- ソーシャルディスタンス出来ない場所ではマスクやフェイスカバーをしましょう。
- 目や鼻、口は触らないようにしましょう。
- 咳やくしゃみは肘かティッシュにしましょう(ティッシュはすぐ捨てる!)
運営における推奨事項
- 1箇所に多すぎる人が集まらないようにしましょう。
- 感染してるかも?と思う症状があれば参加させないようにしましょう。
- 器材の在庫やその他アイテムは、ゲストが触れる可能性のある場所に置きすぎないようにしましょう。
- 知識学習はなるべくeラーニングか遠隔教育でやりましょう。
レンタル器材に関する推奨事項
- レンタル器材のエリアに人が入らないようにしましょう。
- 返却されたレンタル器材のエリアと消毒済みの器材のエリアは明確に分けるようにしましょう。
- 器材をセッティングする際に、バルブの給気口やレギュレーターの接続口を触らないようにしましょう。
- あらかじめセッティングされた器材をひと通り渡し、ゲストには外さないようにお願いしましょう。
- 数日間連続で潜るゲストのレンタル器材はラベルを付けて区別をするようにしましょう。
僕たちダイバーが気を付けられること
というわけで幾つかガイドラインをチェックしましたが、結構同じ事項が繰り返されてたかと思います。
お互いに参照し合ってるガイドラインだからってこともありますが、繰り返されてる事項ほど大事ってことですね。
上記のガイドラインは、ダイビング事象者を対象にしたものではありますが、これを参考に、逆に僕らゲストとなるダイバーが気をつけられることは何か、考えてみました。
主に8点あるのではないか、と考えています。
1. 手洗い、うがいやエチケットは十分に
ダイビングに限らず感染対策で広く言われてる事項ですね。
手洗い、うがいはしっかりするようにしましょう。手洗いは石鹸を使って20秒以上しっかりと!(パプリカのサビ歌いながらやればちょうどいいらしいです)
他にも、とにかく自分の飛沫が他人に掛からないように気を付けていきましょう、という点ですね。
咳をしたり
くしゃみをしたり
鼻をかんだり
これやる時は人からなるべく離れてやったり、手を使わず別の箇所(肘やティッシュ)を使ってやるようにしましょう。
そして、自分の顔をなるべく触らないこと。
これ、意識すると「俺結構自分の顔触ってるもんだな」って感じること結構あります。
この行動、コロナに限らず思わぬ感染症を持ってくる可能性もあるので、意識してなくしていった方が後々役立ちそうです。
2. ソーシャルディスタンス!
これもダイビングに限らず言われてる事項ですね。
テレビで流れてる話をそのまま取れば、「人からは常に2m!」の意識。
これを施設内や陸上、水面、ボートの中でも保てるように常に気をつけておく。
水中で感染の可能性があるかどうかはどうやら何も実証されてないようなのですが、くっつき過ぎはとりあえず控えた方が良さそう。
ただし、水中でこれ意識しすぎると、「距離を保つの意識してたら相手が見えなくなった!」という危険性あり・・・
個人的にはくっつき過ぎてるほど近い必要はないけど、快適に潜れる程度の距離を保って、という意識かな、と考えています。
3. あちこち触らない
とにかく自分にとって必要でないものをあっちこっち触ったりしない!
- 他の人の器材
- 自分が使わないレンタル器材
- 施設内の備品や展示されてる器材
- 船の中のもの(バケツなども含めて)
・・・などなど、挙げたらキリないですが、自分が使わない、使う予定のなさそうなものは、変に触ろうとしないこと!
今回は敢えて取り上げていないですが、前述のガイドライン、消毒に関するガイドが超厳しいです。
使用すべき消毒剤の話もそうですが、消毒の頻度はショップを開く前、人が触るかもしれないタイミングの前後、器材セッティング前とか、もうとにかく高頻度です。
ショップさんがそれをいざ対応しなければならない、って考えたら、あっちこっち変に触るのはやめときましょ!
また今は空気タンクのバルブの給気口、レギュレーターの接続口にウィルスが残ることによる感染の可能性が議論されているようで、器材のセッティングの際にそういった部分はなるべく触らないように、という注意事項もあります。
てか、DANの書いてる「いっそセッティング済みの器材渡せ」って、分かるは分かるけど何かスゲェな、って思ってしまいました。殿様ダイビングやないか。
4. あちこち動き回らない
ダイビング中は当然器材等もわちゃわちゃ出回るわけで、片付けの段階まで来ると、消毒済みでそのままにしてある器材が置いてある場所、使用済みの器材のエリアを分けてく必要が出てきます。
上記のガイドラインの通り、消毒済みのレンタル器材とそうでないものは保管のエリアをはっきり分けるように事業向けに推奨されています。
ここで、その保管のエリアに変なタイミングで足を運んでしまったりしたら、「このエリアの器材は消毒済みだったけど、人が入ったことでどうなったんだこれ・・?」という不安も一緒に持ってきてしまう可能性がある訳です。
・・・なので、とりあえずガイドさんが「ここは入らないように!」というエリアはよっぽど事情がない限りは入らないように、ですね!
この次の事項にも繋がりますが、自分の持ち物をなるべく1カ所にまとめて、移動が少なくなるようにしましょう。
5. 無駄に散らかさない
動き回らないことと関係しますが、自分の持ち物を散らかさないようにするのも対策になりそうですね。
レンタルを含むダイビング器材はもちろんですが、
- 自分の着替えやタオル
- カメラなどの機材
- ログブックや筆記用具
こうしたものはなるべく自分の分かるエリアにひとまとめにしておき、他の人の持ち物やショップの備品とごっちゃにならないように注意する、という感じです。
これ、感染症対策に限らず前から注意すべき事項だったように思いますし、それをもう少し厳しめにチェックする、という感覚ですね。
器材やカメラ機材を洗う際も、ショップさんに指定された場所以外では洗わないようにはしましょう(指定されてないなら聞いてみましょう)。
潜る直前のビーチや漁港、ボートでも、自分の器材が広範囲に散らばらないように工夫をする必要もありそうですね。
6. オンラインで出来るものは対応する
人の手から手へ渡されるものが多かったものを、できる限りオンライン対応していく、というのも対策の1つとして示唆されています。
この中で言えば、
- ダイビング前の事前同意書などの記入
- ライセンス講習の知識学習のeラーニング
- ダイビング後の支払い
この3つですね。
オンラインで対応できない場合はなるべくソーシャルディスタンスや紙を通した感染をしないような対策は取られるでしょうが、今後こうしたオンライン対応が為されるショップさんが増えてくように思います。
スムーズにやり取りできるよう、僕らも以下の事項くらいは事前に用意しといたほうが良さそうです。
- ショップとやり取りができる(=変に弾いたり迷惑メールにならない)メールアドレスを用意する
- 自分のPCやスマホでPDFやオンライン学習システムを閲覧できるようにしておく
- Paypayなど、オンライン決済のツールをインストールしておく
この辺り。
特に3つ目のオンライン決済ツール、いざその場でインストールして使おうにも口座やクレジットカード登録作業が思ったよりめんどくさかったりして「使えない!!」ってなる場合も考えられるので、ダイビングに行く前に予めインストールしていった方が良さそうです。僕も一応、Paypay、LINE Pay、楽天ペイなどの決済アプリは持ち合わせています。
7. 大人数で押し掛けない
とにかく人とはなるべくソーシャルディスタンスを取って欲しい、というのが方針ということなので、
- 1人のガイドさんで見れる人数が3, 4人
- なるべく知り合いや、普段生活を共にしてる同士をバディにした方が良い
って考えると、1度の予約では2人、多くて4人ほどの人数での予約となりそうです。
あ、これってつまり前に開催した田子・雲見ダイビングツアーの規模(10人)なことが出来なくなるって感じでもあるのですが・・・
どうしてもどうしても、大人数のツアーを企画したい!という時は、水面や施設内で密とならないような人数構成が可能なのか、という点をショップさんと相談してみましょう。
8. 無理はしないで言うことを聞く
そもそも感染の予防策以前の話なんですが、体調に不安があったら迷いなくショップさんに連絡しましょう。
「コロナじゃないか?」と疑いたくなる症状が出ていれば勿論ですが、そうでなくても体調に不安を感じたら、前の日の夜遅くだろうが当日の早朝だろうが必ず関係者に連絡するようにしましょう。
くれぐれも「キャンセル料かかるくらいなら無理やり行く」とは絶対思わないようにしましょう。それ以前のあらゆる安全に関わってくる問題です。
しっかり報告し、その後の指示を仰ぎましょう。
他にも、これまで無意識でやってたダイビング中やショップでの行動で変えなければいけないことも出てくると思います。
恐らくブリーフィング前にガイドさんが注意事項を伝えてくるようになると思いますが、「え、こんなことも!?」みたいな注意事項もあるかもしれません。
それに関しては一旦従いましょう。
「そこまでやるの!?」って思う事項も一度はその通りに従っていきましょう。
いずれ「これはやりづれーな」ってショップ側が思う事項なども出てくるとは思いますが、それはそれでガイドラインや事業者自体が対応して変えてくるものになってくると思います。こちらが無理に「こんなの守る必要ないでしょ!」って言ってその場で従わないのはナンセンスな話です。
複雑な気持ちだけど、1個1個受け入れていくしかない
ここまで書いてきましたが、書きながら少々複雑な気持ちではいます。
今まで見てきたダイビングの風景が変わってしまうなぁ、とどうしても思ってしまいますよね。
ダイビングの休憩中に皆で集まって談笑したり、お昼ご飯一緒に食べたり、1カ所に集まってログブックを書いたり、そうした風景も含めてダイビングって楽しんでるところあるじゃないですか。
こうした光景が失われちゃうのか、と思うとちょっと複雑な気持ちになってしまいます。こういうの好きな人って多いですよね?
今はグッと我慢して、こうした風景を一旦は忘れて、ショップさんの注意事項を守りながらダイビングをしていくことが吉だと考えています。
だけどこうした行動って結局「グッと我慢して」やらないと出来ない行動ってことになるので、つまりどこかに限界が潜んでるように思えます。
その辺りが今後、ダイビングに限らず全体的に議論されてくると良いですよね。
1つ意識しなければいけないのは、何をどう気を付けようが、感染のリスクは消えない、ということ。
ここから先は、どこでどんな感染が発生しようが、それはまず人のせいではない。そう考えなければならないタイミングだと思います。
色々難しい時期ですが、ダイビングをまた楽しめる日常になると良いですよね!
というわけで、今回は以上になります。
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