こんにちは!ダイバーラウンジです!
相変わらずスキューバダイビングを満喫しまくる日々を過ごしていた時のことです。
突然何やら箱が届きました。
見覚えのない箱・・・何でしょう。無意識のうちにストロボとか買ってしまったんでしょうか。
勢いに任せてダイビング器材を揃えてしまった前科がある手前、その可能性もなきにしもあらずです。
開けてみたところ、僕がうっかり購入したものではなさそうです。安心した。
どうやら山形カシオさんからの届け物のようです。何だろう。
中には耳くらいの大きさの機器が2つ入っておりました。
これだけだとよく分からないので、この機器について山形カシオさんに直接聞いてみます。
こんな感じで、やって来たこの機器をダイビング中に試すこととなりました。
※ブログ上の演出です。実際はすごく丁寧なご依頼と機器の操作方法の説明を山形カシオさんにしていただきました。
この記事の目次
ロゴシーズIIについて
てなわけで、僕がこれから試す山形カシオさんが新たに開発した「LogoseaseⅡ(ロゴシーズII)」について、まずはざっくり紹介していきます!
「II」となっている通りこのロゴシーズのシリーズは初めてではなく、2013年に開発・発売された「Logosease」に続いての新作機となります。
ロゴシーズ自体がそもそも何かというと、レギュレーターを咥えたまま会話が出来る水中トランシーバーです。ある程度距離が離れたダイバーさん同士でも会話が出来るんです。
「え、水中なのに離れた人とも話せるの?どうやって?拡声器でもついてるの!?」と思うじゃないですか。
秘密は骨伝導マイクとスピーカー、そして超音波の送受信アンテナ。
自分の話した音声が自分の骨を通してロゴシーズの骨伝導マイクに拾われ、それが超音波通信を通して相手側のロゴシーズのアンテナに届き、骨を伝わって音声が届く、という仕組みになっています。
これがロゴシーズIIの全パーツ!
音声を吹き込む骨伝導マイクと拾うスピーカーは裏側の下部と上部、表側のでっかい丸い部分が音声を送受信する超音波アンテナのようです。
この超音波アンテナの位置も旧版のロゴシーズとの違いになってまして、音声の拾える範囲が随分拡大されているんです。この話、後述しますね。
音声による会話機能が進化したことも勿論なのですが、新しいロゴシーズの進化ポイントはこれだけでなく、新搭載のセンサーによって現在のダイビング状況を知らせてくれる音声アラート機能が備わっていること!
上図のように浮上速度が速すぎる時は「浮上速度が速すぎます」と言われるのをはじめ、
- 現在の水深、水温
- 潜水時間
- NDL(無減圧潜水可能時間)まであと何分か
- 安全停止の開始、完了
といった情報も教えてくれます。もはやダイビングコンピュータに近いレベルでダイビング情報をロゴシーズだけで教えてくれるんです。しかも音声で。
そしてその時その時のダイビングのログはこのように情報を残してくれます。この辺りもかなりダイビングコンピュータに近い機能ですね!
「音声トランシーバーなのに何でこんなことが出来るの!?」という話なのですが、製造元の山形カシオさん、実は「ダイコンの中身」にあたる現在のダイビングデータを記録する機能を製造しており、ノウハウのガッツリあるメーカーさんでもあるんです。
だからこそこのような音声会話&音声アラート機能のロゴシーズが製造できるんですね!
ちなみにロゴシーズは専用のUSB充電ケーブルで充電が可能です。大体2時間充電するとこの赤い光が消えて充電完了になります♪
ロゴシーズを試してみよう!
機能についてひと通り知ったところで、早速試してみようと思います!
説明書も読んで準備万端・・・と言いたいところですが、ちゃんと使えるか自分でもまだまだ不安です。
というわけでご近所のダイビングショップNANAさんまでやって来ました。
ここは既に旧版のロゴシーズを採用していらっしゃるので使う際も色々サポートしてくださるはず・・・という邪な思いでお邪魔しました。
さて、早速ロゴシーズを装着していきます!いきなり僕の仏頂面を見せてしまいすみません。
こんな感じで右耳に装着します(どちらの耳でもOK)。
マスクのストラップの上部分に被っちゃってて少し分かりづらいかもしれませんが、ロゴシーズの装着クリップでマスクのストラップに引っ掛け、専属のストラップで括り付けることで落ちないように固定します。
そして装着する部分が重要。裏面の骨伝導マイクが耳穴の前に触れるよう、高さをしっかり調整します。
今回一緒に試すぐび姉さん(@umiushi_party)にも装着してもらいます。
人の顔の大きさによってロゴシーズの位置もだいぶ変わってくるので、高さの調節は大事です。
ちなみにフードを使いたい場合は上図のロゴシーズ専用フードの装着が推奨されています。ちょうどロゴシーズを着ける部分が薄くなっており、音声がより伝導するような仕組みになっていますね(ちなみにNANAさん曰く、普通のフードでもいけるっちゃいけるらしい)。
さぁ早速試してみましょう!ロゴシーズは僕の右耳部分に装着されていますね。ロゴシーズは水に入るだけで勝手に起動する様になっており、ダイブデータも自動的に計算を始める様になっています。
この日の葉山の透明度は7~8m。ちょっと離れると相手が見えなくなるくらいの海。ロゴシーズをテストするには良い環境です。
ロゴシーズには人に音声を送れる「送信モード」と受け取る「受信モード」があり、デフォルトの時は「受信モード」になっています。
何か話したい時に「送信モード」に変えるにはどうすればいいかと言うと・・・こんな感じで、送受信アンテナ部分を1回タッピングすることでランプが桃色に光り、送信モードに切り替えられます。その後話す内容は他の受信モードになっているロゴシーズに届く仕組みです。
この時点で一緒に試してるぐび姉さんに「聞こえる?」と話したところ、OKサインが返ってきました。音の送受信性自体は全く問題がなさそうです。
音は問題なく聞こえる、ということでお互いに何話してるのかスレートに書く形式で練習してみます。
ぐび姉さん「○・○・○(本名)・で・す。○・○・○・で・す」
ラウンジ「・・・・・・?」
「だいじょうぶ」
うん、違いますね。
こんな感じで最初の方はちょっと話してる内容の食い違いが発生していましたが、練習してるうちに簡単な単語であれば、お互い何を言ってるか分かってきます。「ウミウシ」とか「ダンゴウオ」とか。
ぐび姉さん「お・さ・か・な・いっ・ぱ・い!」
大正解〜〜!
前述の通り、音の送受信に関しては全く問題ありません。途中で音が聞こえなくなるとか、雑音が混じるとか、そういった異常はほぼありませんでした。
その一方でどうしてもレギュレーターを咥えながらの会話になるので、それ自体に慣れてないとお互い何言ってるか分かんなくなるというネックがあります。
なのでよりこのロゴシーズの音声会話機能を有効活用しようと思ったら
- 事前にダイビング中に使用する単語を決めておく
- レギュレーターを咥えた状態でどう聞こえるか陸上で確認しておく
などの方法で事前に練習しておくとよりベターだなと思いました。
あと安全停止中にぐび姉さんがいつも通りのトーンで「普通に話した方が聞きやすいかもね」って話した音声が普通に理解できたので、相手とどれだけ話し慣れてるかというのも意外とポイントかと思います。
ちなみに音の受信性に関して追記すると、マジでどこにいても音が受信できる、というのはやってて本当に感じました。
例えばこの画像、左に写ってるガイドさんが装着しているのが旧版のロゴシーズなのですが、この場合送受信アンテナが顔の前方についているため、ダイバー同士が向かい合っての会話が推奨されているんです。
新版のロゴシーズIIでは送受信アンテナの配置が変わっているため、喋った相手が上にいようが下にいようが真向かいにいようが後ろにいようが全方位で聞き取ることが出来ました。これはかなりの改良点ですね!
ちなみに旧版のロゴシーズで話された音声も新版のロゴシーズIIでしっかり聞き取ることが出来ました。視界の隅っこにいたNANAのガイドさんが僕に向かって「ダニエルー!ダニエルー!」と呼びかけた声もバッチリ聞こえておりました。何でダニエルだったのかは謎ですが。
どこまで聞こえるか?チャレンジ
せっかくなので、ロゴシーズからの音声がどの距離まで聞こえるのか、試してみましょう!
「何を喋ってるか全部は分からないけど何を歌ってるかは分かりやすいね」という話になったので、離れてく姉さん・ガイドさんに僕の歌声がどこまで届くのかを聞いてもらいます。
ザザ・・・ザザ・・・
「ラン・・・ランララランランラン・・・」
「ラン・・・ランラララーン・・・」
「ランラン・・・ランララランランラン・・・」
「ララララランランラン・・・」
「ラン・・・ランララランランラン・・・」
・・・まさかロゴシーズ越しにナ○シカのテーマ(低音調版)を聞かされるとはガイドさんも姉さんも、ロゴシーズも思ってなかったでしょう。
非常にシュールな時間が流れる羽目になてしまいましたが、お互いの姿が見えなくなってもロゴシーズは僕の声を送り届けてくれていました。「まだ聞こえてるのかな・・・?」とか思いながら歌い続けること約10分。
その結果残圧を40〜50くらい使ってしまい、僕の方が先に疲れてしまいました(笑)
戻ってきたガイドさん曰く、聞こえていた距離は「だいたい19m」。
と言ってもロゴシーズが聞こえるか聞こえないかより僕が先に歌い疲れてしまっただけかも知れず、実際はもっと長く聞こえてた可能性があります。
製品仕様には最大通信距離は「100m」と記載されており、音が届く距離に苦労することはほとんど無さそうだな、と感じました。
「届く距離は長いけど、水中の環境次第で届かないことも全然ある」と担当者さんからは言われてたんですが、例えばこの状態になってるダイバーさんに「おーい」と呼びかけても全然反応してもらえたので、あまり困ることも無さそうに感じました(狭い海中洞窟あたりは難しいかも知れないですが)
撮影に夢中になりかける時に便利な音声アラート機能
今回新たに搭載されたという音声アラート機能ですが、これはとても便利でした!
自分の設定のもと、水深や潜水時間を音声で教えてくれます。
ダイブデータは設定した周期時間で教えてくれるのですが、気になる場合はアンテナ部分を2回叩けば今時点のダイブデータを即時で教えてくれます。
そして非常に重要な点として、NDLの残り時間など、安全なダイビングをする上で重要なアラートも出してくれるんです。なので
かわいいウミウシが現れて大興奮したり
めっちゃかわいいダンゴウオが現れた夢中で写真を撮ってても・・・
こうして音声でアラートを出してくれることで、万が一ダイコンをチェックし忘れるくらい夢中になってても現実に引き戻してくれるんです。
安全停止の際もダイコンと同じようにタイマーがスタートし、3分経つと「安全停止完了しました 浮上してください」というアナウンスも音声でしてくれました。浮上する時も浮上速度が速過ぎると「浮上速度が速過ぎます」と教えてくれたり。
着けてるダイコンとざっくり比較してみたのですが、表示されている水深とは大体1~2m差、NDLの残り時間は大体1分差くらいになっていたのでほとんど誤差。安全なダイビングをしていく上でとてもありがたいサポート役になります^^
そしてダイビングが終わった後は裏面のディスプレイでその日のダイブログを確認することも出来ます。万が一ダイコンを忘れた!ってなってもこれなら安心ですね^^
その時のダイビングで出た警告もこのログにて表示されます。
ごめんなさい。
ダイビング中のコミュニケーションは新たなステージへ!
以上、ロゴシーズIIを試してみた!でした。
ダイビングで使用できる音声トランシーバー、存在は知っていたものの使ってみたのは初めてだったのでとても楽しかったです。
どうしても「レギュレーターを咥えた口での会話」になってしまうためその点を考慮し練習を工夫する必要はありますが、これまでハンドシグナルを筆頭に「向かい合っての」やり取りがダイバーの主なコミュニケーション手法だったのを大きく変えてくるかも知れない機器だなぁ、と感じました。
それだけでなく音声アラート機能が付くことで、ダイコンに頼り切らない、より安全なダイビングを実現するための強力なサポーターが現れたな、とも感じています。
こういうダイビングの時が良さそうだなと思いました!(他にもありそうですが)
- 小さい生き物を見つけて、他のダイバーさんにも紹介したいけど目を離したらどこにいるか分からなくなりそうな時
- 濁りすぎてて透明度が悪い時
- ハンドシグナルじゃ賄えないレベルでコミュニケーションが必要なダイビングをする時
皆さん、一家に一台、いかがでしょうか?
ロゴシーズIIの細かい商品仕様などの詳細については山形カシオさんの公式ページ、オンラインストアページをぜひご覧ください!
今回はここまでです。
読んでいただき、ありがとうございました!