こんにちは!ダイバーラウンジです。
突然ですが、「ダイビング」って聞くと、どの季節を思い浮かべますか?
それは事実といえば事実で、スキューバダイビングが常夏の綺麗な海に潜って楽しむアクティビティであることは実際間違いないです。
常夏の陽射しが照らされる中での海は気持ち良いですし、カンカン照りの中で器材干したらあっという間に乾きそうです。夏がダイビングにとって良い季節なのは間違いありません。
では、ダイビングは夏しか楽しめないのか?
海の季節とは正反対そうな冬の季節に、ダイビングをすることは出来ないのか?
そんなことは全然ありません!
ダイビングは冬でも出来ます!!
ダイビングは冬でも楽しめます!!!
では実際、冬のダイビングはどう楽しいのか?
この記事では冬のダイビングの魅力と、冬のダイビングにおける注意事項についてご紹介していこうと思います。
この記事の目次
そもそも何が楽しいの?冬のダイビングの魅力
いくつか魅力ポイントを取り上げていきます。
① 人が少ない
夏は海水浴シーズンなので、海水浴やらマリンスポーツやらで海にやって来る人の数が季節を通じて多くなります。
当然ダイビングにやって来る人も総じて多い季節です。サービス側にとっても稼ぎ時。
これは2019年7月に潜りに行ったIOPのエントリーポイント前の様子ですが、ご覧の通り激混みです。手前で器材をセッティングしてるダイバーも多ければ、奥のエントリーポイントのロープもなかなかの行列になっております。毎日これという訳ではないですが、激混みな日に当たるとこんな感じです。
人数が多くなれば、それだけ海中も人だらけになるのはもちろん、ダイビングポイントに向かうまでの道中も混雑しやすくなります。ちょっと気にすること増えてきますよね。
一方で冬の時期は当然海水浴シーズンではないので、そもそも海に人が少ない上にダイビングも繁盛期ではなく、ダイバーも総じて少なくなります。
なので、少なめ、或いはちょうど良いくらいの人数でのびのびとダイビングを楽しむことが出来るんです。
多い人数がいる時にガイドさん聞きにくかったことも、この季節なら聞きに行きやすくなるかも!?
② 透明度が高い
夏と比べて人が少ないからというのもあるのですが、冬の時期は海中に漂うプランクトンの量が減るということもあり、海中の透明度が総じて高くなります!
ドライスーツシーズン中の伊豆やら三浦やらの写真をずらっと並べてみたのですが、夏の時期のこの辺の海、良い時も勿論あるのですが、透明度が大体1ケタメートルはざら、悪い時は3m程度と、目の前を潜っているガイドさんがやっと見えてる程度な時があります。
それが、冬になると10m超え、15〜20mくらいまで透明度が跳ね上がってくるんです。エライ違いになってきます。
沖縄のように、海況が悪くても透明度が20m程度はあるダイビングポイントはまた別ですが、この写真で並べたように、冬は本州のダイビングポイントが透明度をガツっと上げてくる季節です。夏には見れない超綺麗な海を近場で観れる可能性大なんです!
あ、ただですね、冬を通り越して春になると、まだ水温が上がってこないのでドライスーツのシーズンに変わりはないのですが、この時期になると植物プランクトンの大量発生によって海がガッツリと濁る「春濁り」という現象が発生します。
大体発生するのが3月後半〜GW辺りなのですが、ぶち当たると↑こんな状況になってしまいます。その時は「このプランクトンのおかげで、これから海が潤うんだ・・・!」と思って諦めましょう(笑)
③ 冬の海だからこそ出会える生き物・海がある
海の中にも四季があり、冬の時期になって活動が盛んになる生き物がいたり、冬の時期限定で出会える海というのがあるんです。
これを目指して冬の海に繰り出すダイバーさんは結構いらっしゃいます。中には冬の海狙いのみのダイバーさんもいるとかいないとか。
いくつか僕の知ってる生き物・海を紹介していきますね♪
ウミウシ
「海の宝石」と謳われる、貝の仲間なんだけど貝が無くなったりちっちゃくなった生き物、それがウミウシです。
このウミウシの数が非常に多くなり、動きも活発になるのが冬の季節になります。
色鮮やかでカラーバリエーションも形状も非常に種類豊か!動きも可愛らしいウミウシは、カメラを携えたダイバーさんにもとても人気があります。日本近海では1,000種を超えるウミウシがいるんだとか。
・・・・はい。紹介しきれません。
これは12〜3月にかけて神奈川の葉山や城ヶ島、伊豆の大瀬崎で撮った写真を集めたものですが、まだまだあります。ホントに撮り放題な季節なんです。形もカラバリもすごく豊富で、1回のダイビングでなかなか被った子とは会わないです。
体長は数cmのものもいれば、最小で数mmとかになってもはや肉眼で見ても「何???」となってしまう子もいるのでその辺りは注視が必要です!笑
ダンゴウオ
丸っこいボディが特徴的なかわいいお魚、それがダンゴウオです。
こちらも冬の季節になると現れ出すダイバーのアイドルです。
出現する時は大抵この写真のように、岩場だったり海藻だったりにピタッと張り付いていることが多いです。
体長はどんなもんかと言うと
こんなもん。
ペン先にちょこんとダンゴウオがいるの、分かりますか?ご覧の通りちっっっさいです。体長1cmくらいとかなんじゃなかろうか。
これでも十分可愛いのですが、さらに可愛いものが見れるんです。
それはこのダンゴウオの赤ちゃんたち!
更にちっちゃな丸い体につぶらな瞳、赤ちゃんにしかない天使の輪を頭に乗せたかのような模様がとても特徴的なアイドルです。この模様をしてダイバーからは天使ちゃんと呼ばれています。
あ〜〜〜〜、やばい、可愛い。
この子達が可愛すぎて僕がおかしくなってる様子を書いた記事があるので良かったら読んでみてください。
海藻の森
冬の時期は、場所によって海藻が生い茂る時期でもあります。
生い茂った海藻は海中でまるで森のような出立ちとなるため、これもまた見栄えのある光景になるんです。
これは冬の葉山で生い茂っているアオサの写真。
浅瀬の岩場に広がっているのですが、写真見返すと山の光景かと勘違いしてしまいます。あと、お味噌汁飲みたくなる。
これは水中写真家さんである越智隆治さんのツイートを引用したものですが、鹿児島の錦江湾では冬の時期にこんな幻想的な光景も観れるんです。と言っても僕も観たことないのだけど・・・!これは是非観てみたいのだけど・・・!!
小曽我洞窟
静岡の熱海には11月〜3月末のみオープンしているダイビングポイントがあります。
海流を利用しつつ浮いたり沈んだりしながら洞窟を探検していくアスレチック性が楽しいポイントなのですが、平均水深6.7m、最大水深も10mくらいの比較的浅い水域のポイントのため、ダイビングを始めたばかりの方でも十分楽しめます!
狭い岩間をサクサク進んで行ったり
出口の奥から差し込まれる淡い光を求めて突き進んで行ったりと、アドベンチャー感楽しめるポイントになります♪
海中クリスマスツリー
ちょっと今まで紹介した内容とはベクトル違うものになりますが、
冬になるとこんなクリスマスツリーが現れる海もあります。
このクリスマスツリーと一緒にみんなで写真撮って、海中でメリークリスマス♪ってやるのもまた冬のダイビングの楽しみ方の1つです。リア充め
この写真は大瀬崎のクリスマスツリーになるのですが、クリスマスツリーが設置されるダイビングポイントはいくつかありまして、
↑静岡、東伊豆の富戸
↑西伊豆の黄金崎(リースもあり)
↑和歌山の串本
そして昨年設置したクリスマスツリーが忽然と姿を消した事件が話題になっていた東伊豆のIOPこと伊豆海洋公園です(事件の詳細はこちらをチェック)
サンタさんの衣装とかも借りてダイビング出来るので、ちょっとした仮装ダイビングを楽しめるって言うのも、みんなでワイワイ楽しめる点です。リア充め
冬のダイビング、寒くないの?
ここまで、冬のダイビングの魅力をたっぷりと語らせていただきました。
書ききれませんでしたが、他にも千葉の伊戸では安全停止中にウミウが飛び込んでくる様子を楽しめたり、北海道では流氷ダイビングという、ドMというか変態ダイバーの域に達した者が行き着く究極の冬ダイビングの楽しみ方など、冬のダイビングは実際色んな楽しみ方があるんです。
ですが、絶対思い浮かびますよね?
「寒くないの??」
という疑問が。
結論から言いますが、
寒いです(ドーン)
寒くないとはさすがに言えません。嘘すぎる。
とは言っても、凍え死んでしまうほどの寒さかと言うと、そういうわけではありません。
冬のダイビングには、寒い環境からダイバーを守ってくれる装備があるんです。
冬のダイビングの味方、ドライスーツ
なんで冬でも凍えずにダイビング出来るのか?というと、↑このスーツが関係してきます。
ダイビングで使用するスーツは主に「ウェットスーツ」と「ドライスーツ」の2種類が存在しますが、冬場で使用するのは後者の「ドライスーツ」になります(こちらの記事でも紹介しています。)
こちらの写真に写ってるのは僕のスーツですが、左がウェットスーツ、右がドライスーツです。何か見るからに暖かそうですよね。笑
ドライスーツの最大の特徴は、水の侵入を許さないこと。
ガンガン濡れてしまうウェットスーツとは異なり、首と手首の部分がスキン生地でピタッと張り付くことで、水を中に入れず、全身の保温性を保ってくれる仕組みになっているんです。
なので皆さんが想像している「海水で全身が濡れて超凍える・・・!」という状況にはならないですし、濡れない分中のインナーで防寒対策が出来ます。
冬場の本州でのダイビングは、ほとんどがこのドライスーツでのダイビングになります。本州に限らず、沖縄でも気温・水温が低いタイミングでは着用されてる方もいます(僕も3月の本島でのダイビングはドライスーツを使用しました)。
ちなみに価格帯ですが・・・ドライスーツは購入しようとすると平均価格は定価で216,288円になります。実際購入する際はもう少し安くなるかも知れませんが、ちょっとお高め。
購入せずにレンタルで使おうと思ったら、平均価格は3,493円となっております。
ドライスーツを使用するシーズン
ちなみに1年を通してこのドライスーツを使用するシーズンは冬のみなのか?というと、そういうわけではありません。なぜなら水温は気温と比べて1〜2月遅く上げ下げするので、気温が暖かくなってきた春でも水温がまだ冷たい場合があるんです。
ではドライスーツはどの時期に使用するのか?というと、少し個人差があります。
こちらはスクーバモンスターズのスポット探しにて、大瀬崎の項目に掲載された気温・水温・透明度の変化図です。
この表で見ると僕の場合、平均気温が20度を超え、なおかつ最高水温が20度を上回る6月辺りからがウェットスーツのシーズンになります。
逆にそれを下回り始める10月辺りから頃合いを見てドライスーツに衣替え。そして5月いっぱいまではドライスーツです。意外にドライスーツ、使用してる期間が長かったりします。
ドライスーツ以外にもある、冬のダイビングのアイテム
ドライスーツが冬のダイビングにおけるダイバーの大きな見方が大前提だとして、他にもダイバーを冷たい海水から守ってくれるアイテムがいくつかあります。
グローブ
ドライスーツが全身の保温性を守ってくれるのは前述の通りなのですが、顔と両手はガッツリ外に出ているので、冷たい海水に晒されてしまいます。
グローブは単純に手をケガから守るだけでなく、保温してくれるためにもグローブはとっても大事なアイテムになります。冬のダイビングの必須アイテムです。
フード
冷たい水からは両手だけでなく、頭も守る必要があります。
頭が冷えずに済むかどうかは、全身の冷えにホントに影響します。フードのある無しで全然変わってくるので、思ったより水温が冷たそう!ってなった時に備えて常備しておくと良いと思います。
ロクハンスーツ
ダイバーによってはドライスーツではなく、「ロクハン」と呼ばれるウェットスーツを着ている方もいらっしゃいます。
通常のウェットスーツは生地の厚さが5mm以下なのですが、このスーツはその名の通り厚さが6.5mm。加えてラバーもついた構造になっているので、冷たい水が入ってきにくい構造になっております。その分暖かさを確保してくれるスーツです。
自分の周りでもロクハンユーザーは何人かいるのですが、濡れるウェットスーツではあるものの誰からも「寒い」という感想を聞いたことはありません。ただ、下は水着なので陸に上がった後は急いで着替えないと超寒そうでした。笑
とは言え注意事項もある冬のダイビング
以上の通り、冷たい水温の中でのダイビングでも、凍えないようにしてくれるアイテムはたくさん用意されております。
「とは言え、寒いんでしょ?」と聞かれると
「はい、寒いです。」としか言いようがありません。
凍えるほどではないとは言え13〜15度の水温の中、日によっては最高気温が10度未満の中でダイビングすることになるかもしれません。そりゃ寒いです。
ここでは、そんな環境でのダイビングにおいて注意しなければならないことをいくつかお伝えしたいと思います。
注意事項① 防寒対策をしよう
恐れるほどではないにしても、寒いのは間違いなく寒いです。
ドライスーツで着用して海に潜った際、海水はスーツに入ってこないとはいえ、水のひんやりとした感じは伝わってきます。それで十分寒気を感じる場合があります。
さらに真冬の時期になると外気温は水温より低い場合が多いため、むしろエキジットして陸に上がった後の方が寒い場合があります。特にドライスーツのインナーが薄いと、ドライを脱いだ後が割と地獄です。
そのため、中に着る服(インナー)でしっかり防寒対策をする必要があります。
中のインナーで着れるもの、主に下記の2種類があります。
- ドライスーツ専用のインナー
- 市販のインナー
ドライスーツ専用のインナーを使用する
ドライスーツはMOBBY’SやWorld Diveなどといったメーカーが製造しているのですが、こういったメーカーは同時にドライスーツ専用のインナーも製造しています。
専用に作られているだけあって保温性にはとても優れており「やっぱり専用インナーが間違いないよね」という声も多いですね^^;
どのインナーも着心地や着こなし、デザイン性に優れているので、どのインナーを使うのか迷う場合は実際に使ってる人の感想も聞いた方がベターだと思います。
市販のインナーを使用する
専用のインナーではなく、市販のインナーを使用するパターン。
僕はこっち派です。以下の服をユニクロで全部揃えて用意しています。
- 上下インナー(1枚ずつ)
- フリースシャツ
- フリースジャケット
- ウォームイージーパンツ
- 靴下(厚手のもの)
これで1万円は行かなかったはずです。リーズナブル!
1点注意なのが、ヒートテックの有無についてです。ヒートテックを着ることに関しては否定する意見が多いのですが、その理由でよく言われているのが速乾性に優れておらず汗で濡れまくって逆に体を冷やしてしまう、という点です。
登山と違って風が体に直接当たるわけではないのでどこまでこの理由の通りなのかよく分からないのですが、念の為下にはヒートテックではない普通のシャツを着るようにしています。
注意事項② おしっこ対策をしよう
「ここまで来てどうした?ダイバーラウンジ、おかしくなったか?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、大マジです。
保温性の優れたドライスーツで、冷たい水温の海中をダイビングする。それは尿意を促進させる温度差です。
その環境で、ドライスーツ、つまり水着ではない服を中に着て、密封状態にして40分〜1時間くらい海中を潜ることになります。
つまり、その間に万が一の事態が起こると、何がどうなるかは・・・・・・・・・・・想像つきますよね。
そんな悲惨な状態を起こさないためにも、冬のダイビングにおけるトイレ対策はとても大事なんです。
このトイレ対策の話、1回皆さんからの話を聞いてまとめた記事がありますので、ぜひ・・・というか絶対、読んでみてください。
いくつか、この記事に載せた対策を抜粋します。
カフェインの入った飲み物を避ける
コーヒーやほうじ茶など、利尿作用があると言われるカフェインを含んだ飲み物をダイビング前日or当日から控えておく、という対策法です。
とは言え「何も飲まないでおく!」とした結果水分不足になるのも危険なので、そこはカフェインを含まない水や麦茶で水分を摂っておきます。
いざ海に行く直前にトイレに行っておく
海に行く直前、もっと言えばドライスーツの背中のファスナーを閉める直前にトイレに行って絞り出しておこうぜ!って奴です。
これはもちろんドライスーツを着る前に尿意をリセットさせてタイムリミットを稼ぐというのもあるのですが「直前にトイレ行ったんだから大丈夫だべ」という安心感を得るための対策、という面もあります。
おむつを履く
思い切って大人用おむつを履いてしまうパターン。
もし本当にトイレに行きたくなった際に我慢する必要が無いのは言わずもがなですが、おむつをすることで安心感湧いちゃって逆にしたくなくなる、という面もあります。
「そんな恥ずかしいこと出来ないよ・・・!」と思ったそこのあなた。誰にも見られない小さな恥、ドライスーツの中が大惨事になる大恥。あなたは、どちら取りますか?
まとめ。怖がらず、事前準備・対策を万全に!
というわけで、改めて言うと、
ダイビングは冬でも楽しめるスポーツです。
冬に水に入るからって余計に怖がる必要は全くございません。
とは言え寒いのはやっぱり寒いし、ドライスーツを着ることによってまた別で気をつけなければならないことが出てきます。防寒対策、トイレ対策をはじめ、事前準備や対策は万全にしつつ、冬のダイビングを楽しんでください!
おまけ。これまでの冬ダイビングログ
せっかくなので、前に書いた冬の神奈川ダイビングのログ、更には春の伊豆ダイビングのログを載せておきます。
何で春の伊豆ダイビングも載せるかと言うと、一見冬しか着ないドライスーツ、実は6月初めくらいまでに着続けるものだからです。
冬の神奈川ダイビングログ
春の伊豆ダイビングログ
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